サンルイ~ダカール 255km(SS20km)
友川は、とても静かに235kmのリエゾンを走っている。
開けた窓から入り込んでくる風が様々な思いを運んでくる。
今になって、ダカールへの道のりを楽しむことが許されたようだ。
友川は、去年もそうしたように、ダカールの海に着いてからもマシーンを降りようとはしなかった。
友川にしか感じられない何かを、一人で堪能したかったのだろう。
友川を残し、海岸に設置されたCP(コントロールポイント)まで、ゆっくりと歩いた。
・・・・手に握りしめたタイムカード。潮風。ブルーグレイの海。満足そうに輝く競技者達の笑顔・・・。
それらがつなぎ合わさった時、私は、やっぱり、泣いていいのか、笑っていいのか・・・・わからなくなっていた。
スタート前から色々なことが起こりすぎて、「必ず完走するんだと」いう目標がいつしか強迫観念に変わっていたように思う。不安と焦燥に取りつかれていた。体中に巻きついた針金のようなそれらのものが、少しずつ、少しずつ剥がれおちていく・・・・。やっぱり、泣くべきだ。これだけの辛さから解放されるんだから。よし、次のチャンスは逃さずに、思い切り泣いてやろう・・・。
走り終えた友川に、やっと満足そうな笑顔が戻ってきた。
友川は、とても静かに235kmのリエゾンを走っている。
開けた窓から入り込んでくる風が様々な思いを運んでくる。
今になって、ダカールへの道のりを楽しむことが許されたようだ。

友川は、去年もそうしたように、ダカールの海に着いてからもマシーンを降りようとはしなかった。
友川にしか感じられない何かを、一人で堪能したかったのだろう。
友川を残し、海岸に設置されたCP(コントロールポイント)まで、ゆっくりと歩いた。
・・・・手に握りしめたタイムカード。潮風。ブルーグレイの海。満足そうに輝く競技者達の笑顔・・・。
それらがつなぎ合わさった時、私は、やっぱり、泣いていいのか、笑っていいのか・・・・わからなくなっていた。
スタート前から色々なことが起こりすぎて、「必ず完走するんだと」いう目標がいつしか強迫観念に変わっていたように思う。不安と焦燥に取りつかれていた。体中に巻きついた針金のようなそれらのものが、少しずつ、少しずつ剥がれおちていく・・・・。やっぱり、泣くべきだ。これだけの辛さから解放されるんだから。よし、次のチャンスは逃さずに、思い切り泣いてやろう・・・。
きっと、友川も色々なことを思い出し、様々な思いをかみしめていたのだろう。マシーンにもどると、
完走を目前にしているというのにイラついている・・・・。今、友川自身が感じていることは誰にも止められない。とことん感じたらいい・・・・。
いよいよ、最後のSSを走る時が来た。
海岸線を数百メートル走る・・・。18日間の過酷なレースを走り切ったマシーンに与えられる最高のステージ。それが栄光のビーチランだ。左に曲がり、木々の間を走る。重たい砂だ。そこを抜けると最後の砂丘・・・。ギャラリー達が手を振る・・・。砂丘を後にすると、ラックローズというピンク色に輝く湖の周りを走る。後はポジウムに向けて驀進!
友川はこの最後のステージで最高のレースをした。最後の砂丘越えも、ラックローズの周りも、この18日間のどのレグよりも完璧で美しいドライビングだった。本気の走りだ。おかげで、感動のゴールはすごくあっさりと、あっけなく終わってしまった。
走り終えた友川に、やっと満足そうな笑顔が戻ってきた。

友川に握手を求め、心の底から「おめでとう!」を送る。なのに、私を睨みつける。
「何がおめでとう、だよ。駄目だよ、こんなんじゃ! レディースの1位になれなかった。」
・・・・まったく、友川らしいゴールに、友川らしい言葉だった。

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